現USB-DACの考察

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三年間愛用のUSB-DAC

ぺるけさんのミニワッターシリーズを知ったきっかけを作ってくれたのが、USB-DACの自作である。

ここにきて、当方がUSB-DACの経緯などを整理しておくことにした。(AKI.DACのR/L間クロストーク対策は拙DACでは未対応)

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  • 何十年もブランクのあった自作であり、出来るだけシンプルにすることを大前提に、LCのローパスフィルタ式とした。
  • トランス式は非常に魅力的であるが、簡単には手に入りそうにない(オークションは食わず嫌い)。
  • LCフィルタ式は、トランジスター式ミニワッターツアラーPart5で採用されており、この部分を利用することに問題はないと判断した。

http://www.op316.com/tubes/tourer/tourer-p5.htm

  • ぺるけさんの「AKI.DAC-U2704 (秋月電子DACキット)の使い方」を何度も読み返して参考にさせていただいた。

http://www.op316.com/tubes/lpcd/aki-dac.htm

  • AKI.DACとケース(タカチのYM-130)以外の部品は、ぺるけさんから頒布を得た。

 

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【21】

DCオフセットの最終調整f:id:L10Eng:20180623191747p:plainトランジスター式ミニワッターpart5 15V版基板(19V版の基板レイアウト)をケースに組込んでから10日ほど経過した。

外気温度変化の少ないこの時期でもあり、最終的なDCオフセット調整を実施した。

  • ぺるけさんの記事にある「最終的なDCオフセットの調整」に従って実施。

http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm

  • デジタルテスタで「アース~スピーカー端子間」の電圧を測定し、R/Lともに0.1mV程度に調整できた。
  • この調整では、ケースのトップカバーを半開き状態にして、調整用ドライバで半固定抵抗器を回す方法とした。ドライバは長く所有してきたもので、樹脂製シャフトが温度的・電気的な影響を与えず、先端が半固定抵抗器の溝にピッタリ。今になって大いに役立った。

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通電テスト時の養生方法

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基板周辺部品と配線の養生

基板のテスト(トラブルシューティングの場合も)のためケースから取出す場合は、通電時の短絡障害などを防止するための養生が欠かせない。

  • 配線付きの部品は、ビニール袋に入れておく。特に、ボリュームは金属部の露出が多いので、他の部品などと誤接触して障害に至る危険性がある。
  • 配線の末端は、テープを巻いておく。
  • 仮設の配線は、必要限の長さにとどめる。
  • 基板の下側には、ビニールシート(プチプチ)などを敷く。この上には、工具などの金属物を乗せない。
  • 机上の4S。

 

部品の回転止め穴をどうするか

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トグルスイッチのパネル面取付け例

「回転部品の実装の知恵 (ロータリースイッチ、ボリュームの取り付け) 」という題目で、――回転止めツメの位置に合わせてパネル側に穴を開けて、そこにツメを噛ませることで力がかかっても部品が回転しないようにする――ぺるけさんのノウハウが紹介されている。

http://www.op316.com/tubes/tips/k-rotary.htm

こんな観点でネット上の機器製作例を拝見すると、トグルスイッチについてもパネル面に回転止めツメ穴を開けるのをみかける。

当方は、ぺるけさんのミニワッターシリーズなどの実機写真を参考にして、回転止めツメ穴を開けない取付け方としている。

  • スイッチ付属のワッシャ・ナットの配列を入れ替えて、回転止めツメのあるワッシャを逆向き(突起をケース内側へ向ける)にする。
  • パネル面へは、付属の菊ワッシャを食い込ませて締付る。同スイッチの操作は上下動なので、この固定法で対応できる。
  • パネル表側のナットは、指先(工具を使わない)で回して取付ける。チョット厳しい作業とはなるが、パネル面に傷をつけない配慮である。
  • 最後は、ナットの緩み止めとしてケース内側でラッカーなどを塗布しておく。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【20】

基板確認作業の安全性を考慮したパターン図f:id:L10Eng:20180820190812j:plain

ミニワッターpart5 15V版(19V版の基板レイアウト)が出来上がったので、後から気付いたことなどをパターン図へ反映しておくこととした。2台目製作に向けて。

  • トランジスタとFET、ダイオードの各端子電圧を基板面のジャンパ線で測定できるようにした。また、ぺるけさんの設計図に記載の電圧確認部位についても対応した。 ⇒図中のピンク丸印がそれである。
  • 安全な電圧確認を考慮した抵抗器の取付けを、実態図風に表記した。
  • 電源(V+、V-)、GND、BBの各ラインに接続する抵抗器のリードは、短い方をこのラインに接続することとした。これは、テスタ棒が誤って別の部品リードに触れても大きな障害に至らないように考慮したものである。

  ――ぺるけさんの▲●■大人の自由空間▲●■ 「オーディオ自作ヘルプ掲示板」の2018年 5月21日(月)投稿で、2SA950-Y周辺で短絡ミスをおかしてしまったご様子の記事があり、このような障害の起き難い基板を目指そうと考えた次第――

https://8604.teacup.com/very_first_tube_amp/bbs?page=3&

 

  • 抵抗器の横取付けを増やした。この取付けは、抵抗器両端で確認作業ができることと、他の部品と誤接触のような障害を回避できる利点があrる
  • 半固定VR接続のジャンパ配線を、VR枠に被らないように1目移動した。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【19】

ミニワッター基板周辺の配線要領

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ミニワッター基板周辺の入出力信号や電源、アース関係の配線では以下のような要領とした。

(1) 基板の下を通す配線を先行する

  • 基板の下を通す前後のパネル取付け部品間(RCAピンジャック、入力切換スイッチ(本機ではトグルSW)、ボリューム、電源DCジャックなど)を渡る配線を先行する。
  • この配線は、ある程度の余長をとった方が良い。少なくとも、ボトムカバー(アース)にピッタリ近付けておき、ノイズを拾わないようにすること。
  • パネル取付け部品は、ケース内側方向へ外せることを基本(ぺるけさんの思想)としているので、この関係の配線で余長をとることは、後々の点検や修正を容易にする。
  • オーディオ入力信号部の配線はR/L間で、出力信号部はスピーカの+/-間でそれぞれ対撚り処理をする。電線は、RとLで色分けを決めておく。

(2) パネル面部品間の配線

  • 入力切換スイッチの配線は、パネルから取外した状態でハンダ付けした方が良い。作業性に優れることと、ハンダ鏝でパネルを汚すようなミスを防止できる。
  • 部品間の渡り配線も、余長をとっておく。ここでも、後の点検や修正を考慮しておく考え方である。
  • 短い電線の被覆を剥離する場合は、ラジオペンチとワイヤストリッパを使うと良い。(当方のラジペン(ヤットコ)は、電電公社に勤めていた叔父さんからいただいたもの)

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(3) 基板~周辺部品間の配線

  • 基板から余裕を持って電線の引出しをする。ぺるけさんの「13.組み立て配線の下準備=線出し」などをあらためて読んでおく。諄いようなるも、電線の色分け基準を自分なりに決めておくことも大事。(後の点検や修正を考慮

http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm

  • 基板は仮止めにしておき、周辺部品(ボリューム、LEDランプ、スピーカ端子など)と配線する。動作確認後、基板を正式にビス止めする。
  • アースラインはぺるけさんの教えに準じた。ただ、RCAジャックの構造が異なるため、この近くのゴム足用ビスにアースラグを取付けて対応した部分で若干の相違がある。

本機では基板を横置きにしたことで、この周辺の配線を短くできた。また、ケース(LEADのSK-180)の大きさも手ごろで、配線作業がスムーズに運んだ。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【18】

トランジスター式ミニワッターpart5 15V版の出来上がり

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七ヶ月ほど費やしてしまった。

19V版のレイアウトで作ったミニワッターpart5 15V版基板をケースへ組込み、周辺回路の配線を仕上げて通電、単体で動作確認の上、スピーカから音出しまで出来上がった。

  • 単体試験で各部の電圧確認をした。ぺるけさんの設計値の範囲内にある。
  • DCオフセット調整も同設計値の範囲内に収まった。
  • 独自に構成したオーディオ信号入力切換も予定どおり作動。ハムやノイズの問題は一切ない。
  • ケース(LEADのSK-180)のトップがほどよく温くなる。(19V版もこの構造で行けそう…)
  • ぺるけさんのご感想を実感しているところである。――「真空管アンプで心地よいと感じる音を目標のひとつとして、なんとかトランジスタ式でもそういう音が出せないものか・・・でも無理かもしれない・・・と思いつつさまざまな試みをしてきたみをしてきたわけですが、Part5ではそれが逆転したかもしれません。Part5は、私が求めている音、より音楽を楽しめる音に近づいたように思います」――

http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm

※ぺるけさんへ心から感謝の意をお伝えしたい。