フレキシブルフラットケーブル(FFC)の交換

ソニーのミニコンポ DHC-MD333のフレキシブルフラットケーブル交換

ニコンポ DHC-MD333の改修では、フレキシブルフラットケーブル(以下FFC)の交換をしている。

  • 正面パネル基板~制御基板接続用FFC:1本
  • CDユニット基板~制御基板接続用FFC:1本

このFFC交換作業についての備忘録を以下に。

 

FFCの実態

 交換した2本とも他のFFCと比べて厚みが薄く、ここに経年劣化と全所有者のFFC挿抜が加わってピンの剥離が起きていた。

 できればFFC交換は避けたかったが、ピンの剥離があると元通りの復元は無理であるため新品への交換に踏み切ったところである。

 

②新品FFCの調達

 FFC調達はアマゾンに頼ることとしたが、DHC-MD333にピッタリのものは見つからなかった。

  • 正面パネル用FFCは、ピン数の一つ多いものしかなかった。
  • CDユニット用FFCは、全長が1cm短くて(23cmが欲しかった)3ピン多いものしかなかった。

困った…。 しかし、ここまで来てあきらめたくない。

そこで思いついたのが、しょせん一対一接続のケーブルなんだから「自分で加工すれば何とかなるハズ」ではないか。

  • ピン数の多い部分をカットして、実機に合わせる。薄いものゆえ、カッターナイフ相当で対応出来そう。
  • 1cm短いのは問題にならない。コンポ内部配線用であり、もともと余長をとった作り(修理等のサービス性を考慮かと)であったため。

 

③既成FFC(新品)の加工にて対応

 新品FFCの加工から実機(旧品)との交換まで、思ったより簡単に作業できた。

  • FFCのピン数合わせは、ハサミの使用となった。(不器用な拙のなせること)

  ピン(アルミ製)の中心でカットすることになるので、カッターナイフは厳しい。

 ハサミの場合、刃先がオーバーランしないよう注意を要す。

  ※誤って、必要な(残すべき)ピンを切断しないよう注意すること。

 

  • FFCピンのカットは、基板の空きピン側とする。

  基板のプリントパターンを見て、空きピンがある場合は、

 この側に位置する方のFFCピンをカットする。ここを、カット誤差の逃げ代とする考え方にて。

  • FFCピンのカット部分は、テープで保護しておく。

  FFCピンのカットした部分が相手のコネクタよりはみ出ることになるので、

 テープで保護する。目隠しにもなる。(装置内部の範疇なので放置もアリ)

  • FFCピンと相手コネクタピン配列の寸法精度が高く、コネクタのピンが滑らかなのでスムーズに挿抜できる。両者接続の安定性が高い。

 

④所感

 今回のミニコンポ改修で、初めてFFCを知った。装置内部配線の手段としては優れたものと感じ入ったところである。拙の経験に無かった。

  • 部材のコスト削減と省スペース化、軽量化。
  • 配線の作業性に優れ、接続ミスが起こりにくい。コスト低減につながる。
  • メンテナンス性の向上。

 一方で、今回のような強度や経年劣化に係る不利が無くはないが、この分野の製品として必要な耐久性という観点では、許容範囲にあるという考え方なのだと推定する。

ほぼ例年どおり

寒桜がみごろ

確かに暖冬である。

そんな中で、寒桜はどんなかと折に触れて見てきたが、ほぼいつもどおりの開花となった。

気持ち的には口にしたくないのであるが、今年の梅や寒桜は、いつもより艶やかさが落ちていると感じる。(拙眼の経年変化かも知れないが…)

 

でも、こんな後ろ向きは置いとくことにして、季節を味わえることの有難さは大いに感じている。

 

春が早い

例年より2週間ほど早い

今朝は雲一つない青空。そして暖かい。

ウォーキングコースのあちこちで白梅が四分咲き位になっていて、終盤の歩道からふと見上げたら、紅梅が咲き始めていた。

 

スタートの時間に電話が掛って来たことで、嬉しいめぐり合わせとなったようである。

我が意を得たり

陸式端子のメリット

いつも拝見している「ものつくりの掲示板2.0」で、「真空管アンプの片側スピーカから音が出ない」お困りごと相談がある。

 

他人事ではない。

どうしたらいいのかな~と考えているうちに、「アンプのスピーカ接続端子を陸式にする」ことが一番手っ取り早い方法だよね…に至った。

恥ずかしながら拙ブログでも、

トランジスタ式ミニワッターpart2のマイナーチェンジ【02】 - L10のブログ (hatenablog.com)

 

そしたら、同じご意見(かなりベテランの方と拝察)が投稿された。

ものつくりの掲示板2.0 (fc2.com)

  • 拙の場合は一般的な陸式端子(金メッキではある)を使用したが、投稿の端子と基本機能は変わらない(ハズ)。
  • 陸式は剥き線も使えるため、最も簡単な方法でバナナプラグ・ジャックの接触不良疑惑の検証ができる。 ⇒今回の困りごとのケースでは、有効策と考える。
  • 陸式は端子の頭部分を外せるため、◎型圧着端子を使える利点もある。プラグ類で懸念される接触不良対応の利点は大きい。

 

我が思いを代弁していただいたことに感謝致します。

SONYのミニコンポ改修記【03】

DHC-MD333改修作業のヒント

ソニーのミニコンポ DHC-MD333:2台の改修作業では、諸先輩のユーチューブ動画が参考になった。

 

とりわけ、以下の動画は即効性が高かった。

◆本体の開腹から内部ユニットや基板の取出し、点検修理方法から復元までの全般

SONY MD CDミニコンポ MDピクシー DHC-MD333 修理チャレンジ! パート1 audio repair (youtube.com)

SONY MD CDミニコンポ MDピクシー DHC-MD333 修理チャレンジ! パート2 audio repair (youtube.com)

◆CD読み取りレンズ周辺のグリスアップ:音飛び対策

SONY DHC-MD333 家電修理 CD音飛びする (youtube.com)

◆CD読み取りレンズ交換

Sony DHC-MD373 repair part2 (youtube.com)

 

これに加えて、拙が作業において見つけたポイントなどを備忘録として記す。

①AC電源の遮断

 必ず、AC電源プラグはコンセントから抜いておく。 ⇒ご安全に!

 

②裏面カバー取外し作業のポイント

 ミニコンポ本体の開腹作業では、上記のユーチューブ動画が大いに参考になる。

拙がポイントとするのは、裏面カバーの全ビス:13個を取外した後の同カバーを抜出す時の作業方法である。

  • 写真左側のように、カバー側面の突起に手をかけて、左右に開きながら引き出すと良い。この際、けっこう力を掛ける必要はあるが、カバーは丈夫な方なので、よほどのことが無い限り壊す心配はない。 ⇒自己判断にて
  • シャーシ底面部分では、右側写真のようにマイナスドライバーで軽く抉りながら爪を起こすと良い。

 

③CDユニット取外し作業のポイント

 CDユニット取外しにおいても、上記のユーチューブ動画が大いに参考になる。ちなみに、この機種の分解作業では一貫してプラスドライバーを使用する。

  • CDユニット上段のMDユニットは、ドライバー一本で簡単にビスを外せる。ここのフラットケーブルは外さずに、同ユニットを制御基板の外側へどっこいしょと移す。

◆できるだけ基板と前面パネルは取外さないでCDユニット取外し作業にあたる。

  • AMPユニットと制御基板のビス止めを外し、CDユニット取外しのドライバーが入る程度にずらす。
  • AMPユニットの入出力基板を取外せば、この下段にある電源部基板の角にある穴からCDユニット取外しのドライバーが入る。
  • AMPユニットのフラットケーブル類を外して、CDユニット取付けビスへのアクセス(ドライバー)を容易にする。ケーブル片側のみを外すようにする。
  • CDユニットのフラットケーブル長は22cmあり、ケーブルを外さずにメンテ可能とす設計とみる。よって、ケーブルを外さずに作業したい(できるだけ)。
  • 前面パネルは、フラットケーブルを外さないで開いておく。

※CDユニットと前面パネルのフラットケーブルは、出来るだけ抜差しを避けたい。

 ここのフラットケーブルは他のものより強度が低いため、断線障害が起きやすい。

 

SONYのミニコンポ改修記【02】

改修したDHC-MD333:2台

 改修したソニーのMiniコンポ(DHC-MD333)は、10年ほど前からFMチューナとして使ってきた中古品と、昨年11月にネットオークションで調達した本体のみ(スピーカなど無し)の2台である。

 

①2台所有について

 改修当初の手持ちは1台だったが、分解作業中の部材管理が不十分で、復元時に幾つか疑問が出てきたことから、参考用として2台めの調達となってしまった恥ずかしい経緯がある。

 いっぽう、2台所有することにより機器の劣化傾向を把握できたことと、分解作業の効率化と正確な復元ができたことの利点(言い訳)はあった。

 

②DHC-MD333の不調傾向

 Miniコンポ:2台の不調傾向はほぼ同じであった。ネットオークション出品のMiniコンポを見ても、製造メーカや機種などに係らず不調傾向は同じよう(個人的な見方)である。

  • CDユニットは、トレーゴムベルトの劣化とディスク読取りの不調が多い。モータや基板の関係は丈夫なように思われる。
  • MDユニットも、ディスク抜き差し部分に不調が出やすいよう(個人的な見方)である。

 

 これらの不調の主因は経年劣化にありそうで、定期的な維持管理(部品交換など)が必要なことを意味するのであろう。

 言い替えれば、オークション出品のMiniコンポなど(一般的に加齢が進んでいる)を見たときに、「(今は)正常に稼働している現状品が高値」という傾向には疑問ありということになろう。

 

 

SONYのミニコンポ改修記【01】

Miniコンポ:DHC-MD333

昨年10月から11月にかけて、ソニーのミニコンポ DHC-MD333:2台を改修した。

これをネットオークションに出品したところ、おかげさまで2台ともご応札いただき、良い年越しになった。

ありがとうございました。

 

①2台とも、CDユニット関係を改修

 7年ぶりの家電製品改修作業でかなり難儀したが、開腹・改修から復元、動作確認まで無事終了できた。

  • 2台とも、CDディスクトレー開閉のゴムベルトを新品に交換。
  • CD読み取りが不調の1台は、CDピックアップレンズ一式を新品に交換。
  •  CD読み取りは正常なるも音飛びの出る別の1台は、ピックアップレンズを洗浄。
  • 2台とも、CDピックアップレンズ関連機構をグリスアップ。過剰な塗り付けにならぬよう留意した。
  • CDユニット接続用フラットケーブルの劣化が激しい1台は、新品をオリジナル品相当に加工して交換。

 

②CDユニット改修用部品など

 CDユニット改修に使用した部品関係は以下のとおり。

  • 新品のゴムベルトは、オリジナル品相当の直径:35mm-厚さ:1.2mmである。
  • ピックアップレンズは、上位互換と推定する「KSS-213C」(SONY製)を使用。オリジナル品は「KSS-213B」である。 
  • ベルトとピックアップレンズの調達では、「CDパーツマン」の通販を利用。⇒品質と価格の両面で良心的事業者なり。

CDパーツマン (cdpartsman.com)

 

  • ピックアップレンズの関係では、無水エタノールとシリコングリスを使用。
  • フラットケーブルは、『Aタイプ /22ピン 「1.0 mmピッチ」/長さ200 mm』を19ピンに加工して使用。
  • 上記の3品はアマゾンから調達。

 

③MDユニット改修は断念

 MDユニットの2台ともディスク挿入・取出し機構が劣化していた。危惧されるのは、ディスクが取り残される事態である。

  • この機構ではバネなどの金属部品を使っており、素人では交換対応不可能と個人的に判断する。
  • 経過年数から見てMDへ期待するのは無理!! (オークションでMD稼働中(劣化対策なしで)のような表記を見かけるが耐用寿命面で??)
  • メーカの保守サービスは、所有しているリペア用MDユニットに交換する対応を想定しているのではないか? ユニット交換作業自体はかなり簡単であるため。

 

④所感

 今回のミニコンポ2台の改修は、CDユニット関係にとどまった。

 現在のディスクメディア流通状況からすると、CD機能が修復できていれば利用者の満足を得られるのではないかと判断してオークションに出品した。

 この出品としては、改修に係る部品などの調達コストが思ったより嵩んで金銭的な利は無かった。(足は出なかったので好しとする)

しかし、結果オーライと自己満足している。

  • 自分の経験に無かった技術的な面での収穫が多かった。例えば、メーカの物つくりに対するノウハウ(生産性や保守性など)を感じ取れたなど。
  • 少しでも落札者殿のお役に立てるよう、自分の出来ることは対応した自己満足はある。
  • オークションに応札のお二方に出会えて大いに感謝。身に余るご評価をいただけた。