19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【20】

基板確認作業の安全性を考慮したパターン図f:id:L10Eng:20180820190812j:plain

ミニワッターpart5 15V版(19V版の基板レイアウト)が出来上がったので、後から気付いたことなどをパターン図へ反映しておくこととした。2台目製作に向けて。

  • トランジスタとFET、ダイオードの各端子電圧を基板面のジャンパ線で測定できるようにした。また、ぺるけさんの設計図に記載の電圧確認部位についても対応した。 ⇒図中のピンク丸印がそれである。
  • 安全な電圧確認を考慮した抵抗器の取付けを、実態図風に表記した。
  • 電源(V+、V-)、GND、BBの各ラインに接続する抵抗器のリードは、短い方をこのラインに接続することとした。これは、テスタ棒が誤って別の部品リードに触れても大きな障害に至らないように考慮したものである。

  ――ぺるけさんの▲●■大人の自由空間▲●■ 「オーディオ自作ヘルプ掲示板」の2018年 5月21日(月)投稿で、2SA950-Y周辺で短絡ミスをおかしてしまったご様子の記事があり、このような障害の起き難い基板を目指そうと考えた次第――

https://8604.teacup.com/very_first_tube_amp/bbs?page=3&

 

  • 抵抗器の横取付けを増やした。この取付けは、抵抗器両端で確認作業ができることと、他の部品と誤接触のような障害を回避できる利点があrる
  • 半固定VR接続のジャンパ配線を、VR枠に被らないように1目移動した。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【19】

ミニワッター基板周辺の配線要領

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ミニワッター基板周辺の入出力信号や電源、アース関係の配線では以下のような要領とした。

(1) 基板の下を通す配線を先行する

  • 基板の下を通す前後のパネル取付け部品間(RCAピンジャック、入力切換スイッチ(本機ではトグルSW)、ボリューム、電源DCジャックなど)を渡る配線を先行する。
  • この配線は、ある程度の余長をとった方が良い。少なくとも、ボトムカバー(アース)にピッタリ近付けておき、ノイズを拾わないようにすること。
  • パネル取付け部品は、ケース内側方向へ外せることを基本(ぺるけさんの思想)としているので、この関係の配線で余長をとることは、後々の点検や修正を容易にする。
  • オーディオ入力信号部の配線はR/L間で、出力信号部はスピーカの+/-間でそれぞれ対撚り処理をする。電線は、RとLで色分けを決めておく。

(2) パネル面部品間の配線

  • 入力切換スイッチの配線は、パネルから取外した状態でハンダ付けした方が良い。作業性に優れることと、ハンダ鏝でパネルを汚すようなミスを防止できる。
  • 部品間の渡り配線も、余長をとっておく。ここでも、後の点検や修正を考慮しておく考え方である。
  • 短い電線の被覆を剥離する場合は、ラジオペンチとワイヤストリッパを使うと良い。(当方のラジペン(ヤットコ)は、電電公社に勤めていた叔父さんからいただいたもの)

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(3) 基板~周辺部品間の配線

  • 基板から余裕を持って電線の引出しをする。ぺるけさんの「13.組み立て配線の下準備=線出し」などをあらためて読んでおく。諄いようなるも、電線の色分け基準を自分なりに決めておくことも大事。(後の点検や修正を考慮

http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm

  • 基板は仮止めにしておき、周辺部品(ボリューム、LEDランプ、スピーカ端子など)と配線する。動作確認後、基板を正式にビス止めする。
  • アースラインはぺるけさんの教えに準じた。ただ、RCAジャックの構造が異なるため、この近くのゴム足用ビスにアースラグを取付けて対応した部分で若干の相違がある。

本機では基板を横置きにしたことで、この周辺の配線を短くできた。また、ケース(LEADのSK-180)の大きさも手ごろで、配線作業がスムーズに運んだ。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【18】

トランジスター式ミニワッターpart5 15V版の出来上がり

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七ヶ月ほど費やしてしまった。

19V版のレイアウトで作ったミニワッターpart5 15V版基板をケースへ組込み、周辺回路の配線を仕上げて通電、単体で動作確認の上、スピーカから音出しまで出来上がった。

  • 単体試験で各部の電圧確認をした。ぺるけさんの設計値の範囲内にある。
  • DCオフセット調整も同設計値の範囲内に収まった。
  • 独自に構成したオーディオ信号入力切換も予定どおり作動。ハムやノイズの問題は一切ない。
  • ケース(LEADのSK-180)のトップがほどよく温くなる。(19V版もこの構造で行けそう…)
  • ぺるけさんのご感想を実感しているところである。――「真空管アンプで心地よいと感じる音を目標のひとつとして、なんとかトランジスタ式でもそういう音が出せないものか・・・でも無理かもしれない・・・と思いつつさまざまな試みをしてきたみをしてきたわけですが、Part5ではそれが逆転したかもしれません。Part5は、私が求めている音、より音楽を楽しめる音に近づいたように思います」――

http://www.op316.com/tubes/mw/mw-15v-p5.htm

※ぺるけさんへ心から感謝の意をお伝えしたい。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【17】

基板のランドが剥離した部分の修復方法

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 先日、ミニワッターpart5 15V版の基板(19V版のレイアウト)からトランジスタをいったん取外して、極間(ベース~コレクタ間など)の導通テストを実施した。その結果、デジタルテスタのダイオードテスト機能で良否判断のできることが分かった。

 次に、基板へトランジスタを戻して復旧する作業を始めたら、なんと、終段2SC3422-Yのエミッタ用のランドが剥離していたことに気づいた。

  • ランド剥離の原因は、トランジスタを取外す際に若干無理に引抜いたことにある。大失敗。
  • この修復は、ジャンパ線(φ0.28mm)をU字に曲げたものをトランジスタのリードへ引掛けて隣のランドとハンダ付けする方策とした。
  • 基板の隅の位置だったこともあって上手くしのぐことができた(良かった~)。この教訓を次に活かさないと。

 

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【16】

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トップカバーにシールド効果を持たせる

ミニワッターpart5 15V版(19V版の基板レイアウトで作る)用のケースは、LEADのSK-180を使用することとした。

同ケースのトップカバーは塗装されており、他の三辺(ボトムカバー、フロント・リアパネル)とは絶縁状態になるため、この部位にシールドを施すこととした。

(1) ケース全体(四辺)にシールド効果を持たることの背景など

  • ケース全体としてシールド効果を持たせないと、ケースに手を触れたときなどにノイズで悩まされることになる。このことは、ミニワッターpart2製作時に体感している。
  • ぺるけさんは「電子機器のケースはシールドを施すのが常識」のように述べておられる。また、「私のアンプ設計マニュアル / トラブル・シューティング編」でも述べておられる。

http://www.op316.com/tubes/tips/trbl3.htm

 

(2) トップカバーのシールド方策

  • トップカバーの内側へアルミ箔を貼付し、これをボトムカバーのビス止め部と連接する方策とした。カバーの塗装を剥離するのは、錆の原因になるのでやめた。
  • アルミ箔は、百円ショップのアルミ皿(厚さ:90μm)を利用した。食品用アルミホイルは耐久性に不安があり(拙宅では11μm厚)、レンジフード用や壁保護用などのアルミ箔は樹脂コーティング(非導通)されていることが多いので要注意。

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  • シールド用アルミ箔は、左右二等分で構成する。この方が貼付作業が楽になることと、アルミ皿2枚入りの商品であることもあって。

(3) シールド用アルミ箔の切出し

  • 型紙を作り(Word2007を使用)、トップカバーに当てがって寸法関係を確認した。型紙は、全体に小さめにして、貼付時の誤差を逃がす配慮をした。
  • 皿からの材料的(大まか)な切出しはハサミでも可能。但し、歪を少なくするような切り方の配慮が不可欠。
  • この材料(アルミ板状)に型紙をあてがい、要所にポンチ(当方は千枚通しを使用)を打っておく。
  • このポンチ(目印)を使って、カッターナイフでゆっくり・繰返しながら切込みを入れて型紙どおりに切出す。

(4) トップカバーへの貼付

  • 切出したアルミ箔2枚は、カッターナイフ刃先による返りが出るので、木片などを使って延ばしておく。
  • カバーの曲がり部分に対応するようアルミ箔を曲げておく。
  • アルミ板の周囲に両面テープを貼付する。当方は、辺の全部へテープを貼らずに(間隔を開ける)誤差の逃げ代を作っておく考え方とした。
  • 両面テープを貼ったアルミ箔は、トップカバーのセンターラインで合わせ、外側へ向かって段階的にカバーへ貼付(テープ剥離紙をはがす)して行く手順とする。誤差を外側へ逃がすという考え方にて。
  • テープの剥離紙をはがすのには、千枚通しのようなものが便利。狭いところでの剥離作業となるため、指先だけでは厳しい。
  • アルミ箔へのトップカバー取付け用ビス穴は、現物合わせでφ3mmのドリル刃でゆっくり手回しで穿孔すると良い。薄いとはいえ金属であるため。

トランジスタの診断

トランジスタをデジタルテスタで診断する

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ネット閲覧中に、トランジスタの良否診断をデジタルテスタでできないか?のようなQ&Aがあった。

そこで、ケースへの組込みの遅れている我が「トランジスター式ミニワッターpart5 15V版」のトランジスタで試験してみることにした。

(1) 基板取付け状態でトランジスタの診断可否

 基板に取付けた状態ではトランジスタの診断はできない。

 トランジスタには抵抗、コンデンサなどが接続されているため、これら周辺部品の影響を受ける。

 

(2) トランジスタ基板から取外して診断する

 今の状態なら、基板からトランジスタを外せる。

アナログテスタでは何度も診断しているが、デジタルではやったことがない。また、こんな機会はめったにない。

  • ミニワッターpart5 15V版基板から、R側のトランジスタを取外すことにした。
  • トランジスタは4種である。「2SA950-Y」「2SA1680」「2SC3422-Y」「2SA1359」
  • デジタルテスタのダイオードテスト機能(DC電圧を印加する)を使って、B(ベース)~C(コレクタ)、B~E(エミッタ)のような極間で診断するやり方とする。

 この診断結果は以下のようになった。

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  • アナログテスタと同じ考え方で診断できることが分かった。
  • テスタの機種によっては、この方法が使えないかもしれない。(使える可能性の方が高いはず)

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【15】

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パネル取付け部品の下ごしらえ

なかなか進まない19V版基板レイアウトのミニワッターpart5 15V版の製作である。

前後面パネルへ取付ける部品の前処理(下ごしらえ)をしておく。

(1) RCAピンジャック

 6Pジャック共通アースラインは、φ0.9mm銅線の2本重ねでハンダ付け。そこへ、アースラグへ接続する0.3SQ電線をハンダ付けしておく。

 この銅線は、ぺるけさんの頒布品。

http://www.op316.com/tubes/buhin/b-cable.htm

 

(2) LEDランプ

 ぺるけさんから頒布を得た、上品な明かりの電源表示用LEDランプ(いつものPG3889S)である。

http://www.op316.com/tubes/buhin/b-denshi.htm

  • プラス(アノード)側に赤色、マイナス(カソード)側に白色の0.18SQ電線の被覆を取付け。
  • LEDランプは、3mm厚のスポンジ(IP電話用ルータの足)に三つ目錐で穿孔して押込み、両面テープでパネルへ接着する。(写真のストローはLEDランプへの配線保護・短絡防止用である)