19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【17】

基板のランドが剥離した部分の修復方法

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 先日、ミニワッターpart5 15V版の基板(19V版のレイアウト)からトランジスタをいったん取外して、極間(ベース~コレクタ間など)の導通テストを実施した。その結果、デジタルテスタのダイオードテスト機能で良否判断のできることが分かった。

 次に、基板へトランジスタを戻して復旧する作業を始めたら、なんと、終段2SC3422-Yのエミッタ用のランドが剥離していたことに気づいた。

  • ランド剥離の原因は、トランジスタを取外す際に若干無理に引抜いたことにある。大失敗。
  • この修復は、ジャンパ線(φ0.28mm)をU字に曲げたものをトランジスタのリードへ引掛けて隣のランドとハンダ付けする方策とした。
  • 基板の隅の位置だったこともあって上手くしのぐことができた(良かった~)。この教訓を次に活かさないと。

 

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【16】

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トップカバーにシールド効果を持たせる

ミニワッターpart5 15V版(19V版の基板レイアウトで作る)用のケースは、LEADのSK-180を使用することとした。

同ケースのトップカバーは塗装されており、他の三辺(ボトムカバー、フロント・リアパネル)とは絶縁状態になるため、この部位にシールドを施すこととした。

(1) ケース全体(四辺)にシールド効果を持たることの背景など

  • ケース全体としてシールド効果を持たせないと、ケースに手を触れたときなどにノイズで悩まされることになる。このことは、ミニワッターpart2製作時に体感している。
  • ぺるけさんは「電子機器のケースはシールドを施すのが常識」のように述べておられる。また、「私のアンプ設計マニュアル / トラブル・シューティング編」でも述べておられる。

http://www.op316.com/tubes/tips/trbl3.htm

 

(2) トップカバーのシールド方策

  • トップカバーの内側へアルミ箔を貼付し、これをボトムカバーのビス止め部と連接する方策とした。カバーの塗装を剥離するのは、錆の原因になるのでやめた。
  • アルミ箔は、百円ショップのアルミ皿(厚さ:90μm)を利用した。食品用アルミホイルは耐久性に不安があり(拙宅では11μm厚)、レンジフード用や壁保護用などのアルミ箔は樹脂コーティング(非導通)されていることが多いので要注意。

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  • シールド用アルミ箔は、左右二等分で構成する。この方が貼付作業が楽になることと、アルミ皿2枚入りの商品であることもあって。

(3) シールド用アルミ箔の切出し

  • 型紙を作り(Word2007を使用)、トップカバーに当てがって寸法関係を確認した。型紙は、全体に小さめにして、貼付時の誤差を逃がす配慮をした。
  • 皿からの材料的(大まか)な切出しはハサミでも可能。但し、歪を少なくするような切り方の配慮が不可欠。
  • この材料(アルミ板状)に型紙をあてがい、要所にポンチ(当方は千枚通しを使用)を打っておく。
  • このポンチ(目印)を使って、カッターナイフでゆっくり・繰返しながら切込みを入れて型紙どおりに切出す。

(4) トップカバーへの貼付

  • 切出したアルミ箔2枚は、カッターナイフ刃先による返りが出るので、木片などを使って延ばしておく。
  • カバーの曲がり部分に対応するようアルミ箔を曲げておく。
  • アルミ板の周囲に両面テープを貼付する。当方は、辺の全部へテープを貼らずに(間隔を開ける)誤差の逃げ代を作っておく考え方とした。
  • 両面テープを貼ったアルミ箔は、トップカバーのセンターラインで合わせ、外側へ向かって段階的にカバーへ貼付(テープ剥離紙をはがす)して行く手順とする。誤差を外側へ逃がすという考え方にて。
  • テープの剥離紙をはがすのには、千枚通しのようなものが便利。狭いところでの剥離作業となるため、指先だけでは厳しい。
  • アルミ箔へのトップカバー取付け用ビス穴は、現物合わせでφ3mmのドリル刃でゆっくり手回しで穿孔すると良い。薄いとはいえ金属であるため。

トランジスタの診断

トランジスタをデジタルテスタで診断する

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ネット閲覧中に、トランジスタの良否診断をデジタルテスタでできないか?のようなQ&Aがあった。

そこで、ケースへの組込みの遅れている我が「トランジスター式ミニワッターpart5 15V版」のトランジスタで試験してみることにした。

(1) 基板取付け状態でトランジスタの診断可否

 基板に取付けた状態ではトランジスタの診断はできない。

 トランジスタには抵抗、コンデンサなどが接続されているため、これら周辺部品の影響を受ける。

 

(2) トランジスタ基板から取外して診断する

 今の状態なら、基板からトランジスタを外せる。

アナログテスタでは何度も診断しているが、デジタルではやったことがない。また、こんな機会はめったにない。

  • ミニワッターpart5 15V版基板から、R側のトランジスタを取外すことにした。
  • トランジスタは4種である。「2SA950-Y」「2SA1680」「2SC3422-Y」「2SA1359」
  • デジタルテスタのダイオードテスト機能(DC電圧を印加する)を使って、B(ベース)~C(コレクタ)、B~E(エミッタ)のような極間で診断するやり方とする。

 この診断結果は以下のようになった。

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  • アナログテスタと同じ考え方で診断できることが分かった。
  • テスタの機種によっては、この方法が使えないかもしれない。(使える可能性の方が高いはず)

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【15】

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パネル取付け部品の下ごしらえ

なかなか進まない19V版基板レイアウトのミニワッターpart5 15V版の製作である。

前後面パネルへ取付ける部品の前処理(下ごしらえ)をしておく。

(1) RCAピンジャック

 6Pジャック共通アースラインは、φ0.9mm銅線の2本重ねでハンダ付け。そこへ、アースラグへ接続する0.3SQ電線をハンダ付けしておく。

 この銅線は、ぺるけさんの頒布品。

http://www.op316.com/tubes/buhin/b-cable.htm

 

(2) LEDランプ

 ぺるけさんから頒布を得た、上品な明かりの電源表示用LEDランプ(いつものPG3889S)である。

http://www.op316.com/tubes/buhin/b-denshi.htm

  • プラス(アノード)側に赤色、マイナス(カソード)側に白色の0.18SQ電線の被覆を取付け。
  • LEDランプは、3mm厚のスポンジ(IP電話用ルータの足)に三つ目錐で穿孔して押込み、両面テープでパネルへ接着する。(写真のストローはLEDランプへの配線保護・短絡防止用である)

PC無しでインターネット・ラジオを聴く

BB-Shout (Web Radio Kit Ver.1.1)

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インターネット・ラジオを専用ハードで聴ける。

http://bb-shout.tristate.ne.jp/index.html

パソコンが無くても大丈夫なので、利用価値は高いと思う。

  • ミニワッターなどのエージングを兼ねて、好みのジャンルを流しっぱなしBGM機的に使える。店舗のBGM用にも最適。
  • パソコンに負担をかけずにネットラジオを聴く。
  • パソコンを稼働したくないとき(雷発生など)でもネットラジオを聴く。

このBB-Shout:BBシャウトは秋月電子通商で販売。

  組み立ての難易度は中~低くらい。けっこう楽しめる。(完成品の販売もある)

  • ACアダプタ電源(DC9Vや12V)は別。当然、インターネット接続環境は必須。
  • IPアドレスDNSアドレスはDHCPで自動取得(今どきの標準ではある)する。
  • 放送サイトのアドレス取得方法は、上記のホームページに記載されている。
  • 写真の電源SW(トグル)とツマミは当方でカスタマイズしたもの。LEDランプを好みの色に変更する(キット購入時に秋月の店員さんへ相談するのもアリ)、電解コンデンサを国内メーカ品に変更するなどの楽しみ方もできる。

当方、8年ほど前からこのキットを使っており今も現役。

個人的にお奨めのサイト】:放送の安定度、選曲と音質の良さから

ユニバーサル基板のハンダ付け関連作業で

ハンダ付け・外しの作業で分かってきたこと

ここまで、ユニバーサル基板を使ったミニワッタ―の製作をしてきた。

この作業で学んだこと(反省を含めて)を綴っておく。

(1) はじめに

  • 作業台、鏝台などの4S。
  • ハンダ鏝の整備、ハンダ及び吸取り線の残量確認。

(2) ハンダ付け作業

  • 基板のランドと部品の両方をキチンと温める
  • 電線は、被覆を剥離した部分を軽くハンダ乗せをしてから接続端子に絡げるやり方もある。特に、トグルスイッチのように端子間が狭い部分で有効で、基板への接続でも有効な手段。
  • ハンダは必要分流し込む。ここがけっこう難しいところで、ぺるけさんの記事と写真をよく読み・見て味わうと良い。

http://www.op316.com/tubes/tips/trbl4.htm

  • 部品(抵抗器など)のリードをジャンパ線として使うのは止めた方が良い。ハンダの乗りが悪くて接触不良の原因となる。
  • ジャンパ線は、ハンダの乗りが良い裸銅線(ぺるけさん頒布品)が無難。ただ、視力低下の我が身では、0.4mmの被覆付きジャンパ線(先の我が記事による)が使いやすい…。
  • 半導体部品(トランジスタダイオード)は、思った以上にハンダ鏝の加熱(鏝のワット数によるが)に耐える。

(3) 修復作業

  • ハンダ付けをミスったら、ハンダ吸取り線で除去してからやり直すこと。ぺるけさんの記事にあるとおりで、ケチケチしないこと。
  • ハンダ吸取りは、該当ランドに的を絞ってハンダ鏝と吸取り線を当て、サッとはがす感じで手早くやる。
  • ハンダ吸取り線は2mm幅がベター(ぺるけさんの頒布対象)で、多め(長め)に所有しておいた方がよい。案外、すぐに無くなってしまう。

(4) リードや電線などの切断作業

  • 部品リードや電線、ハンダ吸取り線などをニッパで切断する場合は、この対象物を持つ手の人差し指又は中指の先に乗せて、切った先が飛び散らないよう軟らかく受けると良い。

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  • この切断作業は、基板上やケース内ではダメ。異物混入で短絡障害や摩訶不思議な異常動作などに繋がる。

19V版基板レイアウトでミニワッターPart5 15V版を作る【14】

ハンダ不良再び

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誠にお恥ずかしい次第である。

基板(19V版の基板レイアウト)をケースへ組込み・配線する前に、あらためて基板単体の動作確認をした。
  • L側のスピーカ出力が90mV以上になった。またまたヤバい⇒即刻、電源遮断。
  • R側は1mV程度であり、正常とみる。

結果から述べると、再びハンダ不良が原因だった。

またか…。

  • R側のときと同じく、地道に一つずつ導通(0Ω)チェックで潰して行くと、中段の2SA1950-Yコレクタ接続に導通がない。⇒ここだ。
  • ハンダ付けを修正して再通電。⇒L側のスピーカ出力も1mV程度に落ち着いた。

ハンダ付けはそれなりに自信があるつもりだったが、見事に打ち砕かれた。

この原因を分析してみて以下のように思われる。

  • 半導体部品への熱ダメージを恐れて、ついハンダ付けの時間を短くしてしまった。
  • トランジスタのリードが長いので、鏝の熱が拡散しやすい。

再発防止策。

  • 配線が終わったらテスタで導通(0Ω)確認する。